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過去叶ス和の西村様から頂いたレポートを勝手に載せたものです。問題があれば削除など適切な対応をとらせていただきます。
叶ス和 西村レポート(h11.6.30)より 
 よくせいとまと 
 とまとの抑制作は難しい。1年中の作型で最も難しい。播種が早ければ早いほど格段に難しい。総収量を上げるのが大変で、天候にされ易い。梅雨が続き。7/15〜25頃梅雨明け、その後8/20過ぎまで、残暑が続く。最近は10月まで続くことがある。暑くて育苗と初期生育が上手くいきにくいのです。したがって促成長期は草勢をつける為、早くても8/末〜9月、10月/上まで播種が続く。トマトにとってみれば9月以降の播種が自然である。しかし、抑制、半促成の年2作型では、抑制の切り上げが、半促成の売り上げの鍵を握る。
作型
抑制1 7月上旬播種 7月中旬移植 8月上旬定植 9月下旬から収穫開始〜
育苗が梅雨、定植が猛暑になる。最も厳しい。理由がなけれべ避けた方がよい。温室が高い、遮光ができるか 高冷地でなければならない。夜温が下げれば大丈夫。
抑制2 7月下旬播種 8月上旬移植 8月下旬定植 10月中旬から収穫開始〜
平地では早い方の作型。育苗期が盛夏、まっただ中。有効な遮光と強い換気が必要。RW温度を少しでも下げたい
抑制3 8月上旬播種 8月中旬移植 9月上旬定植 11月上旬から収穫開始〜
8月に入ってからの播種で抑制2より日毎にやり易くなる。それでも育苗は高温、活着は残暑が続く。遮光は開閉が必要。但し、寒冷地では収穫が遅れ、暖房コストも掛かるので真冬の収穫は勧められない。低段密植短期とするか抑制1抑制2の間の初期管理を成功させる。
品種
五段〜六段、ばあいによって七段なので、早生で短期決戦型品種を選ぶ。玉伸びの良い品種を選びたい。実績のある品種はハウス桃太郎=標準的品種でオールマイティー。玉は小ぶりで試験上でも小さい。個数は多く、収量は中の上。桃太郎=純桃も味、玉伸びで捨てがたい。生産者で好き嫌いが激しいが草勢コントロールが難しいからだろう。暴れると樹がどっかに行くだけで、細身に抑え、3段で一気にはい上げてピンチをかければ、素晴らしい品種である。すべてそこにかかっている。桃太郎8=草勢強いので、初期抑えられれば大丈夫。着果は安定し、玉も伸びる、よく伸びる。桃太郎ヨーク=おとなしい品種で、花が安定する。玉伸びが大きいので、早くピンチかける。短期には向く。630=時々好きな人がいる。収量は多く、玉伸びるが抑制での収穫始めはH桃より10日前後遅い。初期抑えれば、ガクの長いきれいな花が咲く。葉は大きめ。145.サンロードの改良。絞め作りではおいしくて、直販等は好評。草勢強めなので初期注意。玉は伸びる。マイロック=草勢はやや強。作り易く、普通、宣伝ほど、特に玉が硬いわけではない。やや収量多い。
接木
基本的に短期決戦では接ぎ木はしない。実生で素直に育てる。品種の特性がよく出る。樹もおとなしい方が良い。ピンチ2本仕立てでは台木でも良いが開花が遅くなる。真夏青枯れ常習地では青枯れが出なくなるまでは接ぎ木する。青枯れや抵抗はジョイント、がんばる根、新メイト。強抵抗は、影武者、カップルT、褐色根腐れ病抵抗ではドクターKしか方法がない。



叶ス和 西村レポート
とまとの見直し
 とまとはRWとの相性も良く。一年生でも作れますが、良い品質のものを連続して採るとなると難しく面白いです。もう一度原点に帰ってみたいです。
環境 とまと作りのうまい人は、よく換気をされます。蒸すと葉がうすく大きくなるのと病気が多いです。養液管理以外では換気が決め手と言っても過言ではないでしょう。
 冬期の最低気温(加温)は現在の品種で12度〜14度の間でしょう。低いと節間が詰まり、灰色カビがでます。高いと徒長し弱ります。
 遮光はなるべくしない方が良いです。しても夏場の10じ〜14じ頃まで。日中萎れるのは、ハウス環境が劣悪かが弱いんです。
 3日間大雨で、パッと照った時などは積極的に遮光する。

定植 1段開花 2段開花 3段 4段 5段 6段 7段〜 @ピンチ栽培ではピンチ後KTECを下げる。
@長段やずりおろしのときは低めで。
@廃液ECが2.5を超えていても良い事があまりない。
糖度と比例しない。


桃太郎 KT 1.0 1.0 1.0 1.2 1.4 1.6 1.6 1.6-1.0
HT 1.0 0.9 *0.7 0.5 0.8 1.2 1.5 2.0-1.2
ハウス桃
桃ヨーク
KT 1.0 1.0 *1.0-1.2 1.3 1.5 1.6 1.6 1.6-1.0
HT 1.0 1.0 *0.8 0.7 1.0 1.3 1.6 2.0-1.2
戻り率 10% 10-15% 25% 20%-30%
ロボ廃液設定 1.0 1.0 1.0 1.2-1.5 1.5-1.8
*桃太郎は初期肥えるのでEC上げるのをガマンする。3段開花を待ってGO!!遅れると4〜6細い。
H桃、桃ヨークはおとなしいので、桃太郎より早めにECを上げていく。
H桃は着果が先行して、いったん細くなると太りにくい。ヨークは細目でも玉伸びが良い。
RWのポイント  育苗EC1.0肥やさない。
            根を乾燥などで痛めない。
            活着1週間で勝負!!グラグラしない事。
            ポット手掛けEC1.0 3回〜6回。
            1段、2段の着果するまでEC上げない。
            1,2段着果したらECのGO!
            3段、4段の時のECの上げ方で樹姿(一生)が決まる。



トマトの見直し2000
叶ス和 西村レポート(h12.2.14)より 
2年程前から全国をまわり始めて驚いたのは、RWマットが概ねベタベタだった事です。給液の多さ、レベル棒の位置、マットの古さ(ペッタンコ)などです。トマトが強くて、気候がマッチすれば、すばらしい生育を示すのですが、一歩間違えると、根ぐされ、青枯れ、尻ぐされ、激発です。ECも相対的に高く、その為にかけ流ししたり、ウドンコ病もありました。トマトの作り方は全国多種多様ですが、2年前の「トマトの見直し」と1999.栃木農試さんの最新データで振り返ります。
作りのポイント
    1 根圏をしっかり作る。地上部はその結果。
    2 育苗はPOT裏面の根の状態を良くし、70−80%新根で定植。
    3 活着代一。太根をマット底面に引き込む。苗質と環境。
    4 成りぐせをつける。代2花房着果〜代3花房着果までガマン。
    5 以降 伸び伸びと育てる。EC,給液量共に十分に!
    6 1件 1件で一番異なるのが温度管理。これで決まる。
給液ECによる差 11月HEC 12月HEC 1月HEC 2月HEC 3月HEC 10a換算
給液EC低 0.7 1.1 1.4 1.2 0.9 0.8 1.1 1.6 2.8 2.2 29.5t
給液EC中 1.0 1.4 1.7 1.5 1.2 2.0 2.4 5.7 6.5 3.5 25.5t
給液EC一定 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 0.6 1.0 1.5 1.2 1.7 26.9t
●尻腐れ3/中〜6/下。中EC14.8% > 一定EC10.8% > 低EC9.0%であった。
●草勢は給液量程の影響はないが、EC高い方が旺盛。
●収量は、EC低がよく、次いで1.2一定、次EC中、1果重も低172g>一定169g>中156g
トマトのまとめ 給液量やECでトマトの草勢が大きく変わる事は皆さん知っていますが、EC1.2一定でもできるわけです。むしろ、いじりすぎずにトマトの能力を引き出していった方が調子が良いものです。年15tの人は18t、20tの人は22t、25tの人は28tをコンスタントの獲れる様にしてください。自己流は目標を越えてからにしてください。また糖度8度、9度は、水分ストレスを思いっきりかけますので収量が3t近くへ落ちます。直販有利販売できる人はよろしいと思いますが、そうでない人は普通のトマトを沢山獲ってください。
栃木農試さんの給液量による差。(9月〜翌7/中、長期、24段)
平均戻り量 11月HEC 12月HEC 1月HEC 2月HEC 3月HEC 4月HEC 5月HEC 6月HEC
給液量小 8.3% 0.7 1.0 1.2 2.0 3.5 5.2 6.6 7.0
給液量中 6.3% 2.0 2.2 5.5 5.5 3.8 2.7 3.2 3.0
給液量多 39.5% 2.0 1.8 2.7 1.6 2.6 2.3 2.5 1.7
KTEC 1.0 1.7 1.7 1.7 1.7 1.7 1.5 1.5 1.2
1月下旬より給液量の増加→→

開花は
早(10日後)中
早(1ヶ月後)遅
開花 茎径 葉長 葉幅 10a換算収量 1果重 糖度
給液量小 9-12mm 40-37cm 35-40cm 19.3t 145g 5〜6度
給液量中 11-15mm 48-40cm 48-43cm 25.5t 156g 4.5〜5.5度
給液量多 12-15mm 52-40cm 52-42 22.2t 150g 4.5〜6.2度
給液量が多い方が旺盛な生育。生育スピードも早い。収量は給液量少ないと少ない。多すぎると後半バテる。糖度は水少ない程高い。但し20tベースでは5-6度だった。

ECと給液量
育苗期のECは0.7〜1.0と低い。高いとN過多になる。
育苗期が梅雨期に場合、徒長するので株間を十分に開け、本葉4枚までは天候に応じて、手掛け量を減らすことが絞め苗と第一花房の正常分化へつながる。週間天気予報をよく考えてこまめな給液が肝心である。
Points 上の数量は晴天時です。給液の開始は日の出とともに始まり、午前中に排液の出るようにする。最終の給液の後排液が多くなる様な給液はしない。(品質)
戻り率も、2段目開花〜ピンチまでは20〜25%と多めにすることが初期生育と、ピンチ後は10〜20%と少な目にする。給液終了を早くした方が玉がしまるが、草勢を強くするなら遅めまで給液する。
5段頃に、排液ECは給液ECと逆転してくるが放任。
収穫終了までの排液ECは、1.5〜2.5と高くてよい。(品質)
総給液量は、曇天で晴天の70〜80%程度。
雨天では30〜50%位となるが、抑制の後半は気温が下がる為によりすくなくなります。
続く、、Please wait for a while.
 
---- (有)藤田農園 ----